イモビライザー

　イモビライザーって何だか分かりますか？

　イモビライザー(Immobilizer)とは、電子的なキーの照合システムにより専用のキー以外ではエンジンの始動が不可能な自動車盗難防止システムのことです。

　イモビライザーが出始めた当初は、一部の高級車などに採用されていた程度でしたが、最近では小型車やミニバンなど、標準装備として採用される車種が多くなっており、欧米では低価格の小型車でも装着が事実上義務付けられているということです。

　一般的に、車のキーシリンダー内部とキーの鍵山が機械的に一致すると、イグニッションスイッチをオンにしてエンジンが始動できるようになっています。これに対して、イモビライザーは専用キーに埋め込まれたトランスポンダと呼ばれる電子チップが持つ固有のIDコードと車両側のIDコードを電子的に照合し、これが一致した場合にエンジンが始動できるものです。

　したがって、合鍵などでドアは開けられても、その合鍵でエンジンを始動させようとしてもIDコードが一致しない限りエンジンを始動させることはできません。

　なお、このIDの認証処理はトランスポンダと車両側のIDの間で複数種類のキーを使用して複数回行われ、全ての認証が成功しなければエンジンは始動しないようになっています。それ故、理論的には車の盗難ができないと言われている訳です。

　しかし、イモビライザーを搭載していても実際には該当の車が盗まれるケースも起こっていて、保険会社との間で裁判沙汰になっているケースも少なくありません。

　そのイモビライザー破りの手口の例ですが、国産自動車メーカーの車種の中には、運転席付近にある整備用のコネクタに差し込むことで車両側のIDコードをリセットできるものも存在しており、これを利用して別のキーのIDコードに照合させることでエンジンの始動を可能にする装置を使用することにより、十数秒で解錠できるようです。

　結局、イモビライザーがついているからといって万全ではない訳で、社内にETCカードや現金、カバン等の貴重品類を車内の見えるところに置かないといった自己防衛策も必要だと思います。

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