しろそこひ

　「しろそこひ」って何か分かりますか？

　私も分からなかったので調べてみたところ、白内障のことなんですね。

　白内障（はくないしょう）【Cataract】というのは、一言で言うと目の水晶体（すいしょうたい）が白く濁り、視力が低下する病気です。

　水晶体というのは、瞳孔（どうこう）（ひとみ）のすぐ奥にある組織で、カメラにたとえると、ちょうどレンズにあたる機能を担っています。通常は透明で、外からは見えません。

　この水晶体が濁ってしまうのが白内障で、カメラのレンズが濁るとファインダー像や写真の写りが悪くなるように、視力が低下してきます。

　ただ、突然水晶体全体が白く濁るわけではなく、一部分から濁り始め、徐々に他の部分も濁って来て、ついには濁りが水晶体全体に広がります。

　白内障の症状は、濁り方によって視力の低下度合いが異なるため、人によって違います。ひどい場合には、人がいることがわかる程度とか、目の前で手を振るとやっとわかる程度にまで視力が落ちると言われています。

　視界が全体的に白っぽく、霧の中にいるような感じであると訴える患者さんもいるようです。

　なお、全体的に暗い感じがしたり、一部分だけが暗かったり見えなかったりという症状は、白内障の一般的な症状ではないので、他の病気の可能性が考えられます。すぐに眼科を受診した方が良いと思います。

　白内障の種類としては、その原因から、つぎのような種類に分けることができます。

①加齢性（かれいせい）（老人性）白内障（はくないしょう）
　白内障のなかでもっとも多いもので、60歳を過ぎると、ほとんどの人に多かれ少なかれ白内障が存在します。加齢にともなって徐々に進行し、将来の視力障害の原因になります。この進行を止める有効な方法は現在もなく、進行を少し遅らせることができる程度です。

②先天白内障（せんてんはくないしょう）（「先天白内障」）
　小児や赤ちゃんなどにみられるもので、他の白内障と異なり、比較的早めの治療が必要です。

③その他の白内障
　ほかの病気にともなって白内障になる併発白内障や、けがなどでおこる外傷性白内障、糖尿病による糖尿病性白内障などがあります。

　次に白内障の治療法ですが、進行を予防するため抗酸化剤の点眼薬や内服剤が使用されますが、これらの方法ではすでに進行してしまった白内障の症状を軽減することはできません。

　視力障害やまぶしさなど、日常生活に不便を感じるようになってしまった場合は手術が行なわれます。

　最近は比較的安全に手術できる方法が確立し、視力が低下していない場合でも、まぶしさなどの訴えが強ければ手術が行なわれるようになってきています。

　なお、完全に見えなくなるまで白内障を放置しておくと、生活が不便になるばかりか、ときに緑内障（りょくないしょう）（青そこひ）などの合併症を生じてしまう場合もあるため、眼科医とよく相談して手術の時期を決める必要があります。

　手術の方法ですが、最近は水晶体の一部を残して眼内レンズを移植できるようにした嚢外摘出法が主流となり、さらに超音波を用いて水晶体の中身を砕いて吸い取ってしまう超音波水晶体乳化吸引術が一般的になってきています。また眼内レンズ移植が白内障手術と同時に行なわれます。

　手術後の養生方法ですが、超音波水晶体乳化吸引術を受けた場合、以前ほど術後の安静に神経を使う必要はなく、手術用の創（きず）の長さが従来の手術の半分以下ですみため、比較的早いうちに日常生活にもどることができます。

　ただし、洗顔や洗髪、水泳などのスポーツの再開については、主治医とよく相談して決める必要があります。

　また白内障の手術後は、多くの場合、老眼鏡などのめがねが必要で、手術前に使っていためがねが合わなくなることも良くありますが、手術直後は度数が安定しないことがあるため、めがねをつくりなおすのは、手術後数か月してからの方が良いと言うことです。

　さらに、白内障手術をして数年してまた白内障になったときのように、濁って見えてくることがあります。これが後発白内障です。

　白内障手術時に残った水晶体の細胞が、手術後に増殖して眼内レンズの周囲にまで達し、透明なレンズ周囲が濁ってしまうものです。

　眼内レンズの周囲だけが濁り、レンズそのものは濁りませんから、レーザー光線でこの細胞をとばせば再びよく見えるようになります。簡単な処置ですみますから、見えにくくなったら、すぐに眼科医を受診した方が良いということです。

　何れにしても、目は大切にしないといけないですね。

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